No.231 枝豆

気温が定まらない時期。急に真夏のような暑さかと思うと雨が降って冷たい風が吹いたりする。三寒四温の時期はとうに過ぎたけれど、暑かったり肌寒かったりで、日々の服装に悩む。とは言え梅雨も近くなり、枝豆が出始めたのを見るともうすぐ夏だと感じる。
うぶ毛の付いた瑞々しい緑の鞘が映える、この濃い色の皿は江戸時代後期、作者は 大橋 秋ニ (1975〜1857) 。釘で彫って出来た窪みに白の土を使って素朴な花模様が白く浮き出している。小さい皿だけれど表も裏も轆轤目が際立ち、表情が豊か。作り手の上手さを感じる。
大橋 秋ニ は、愛知県津島市で稲垣家の長男として生まれ、 のちに大橋家の養子となり医者になる。茶事、画、詩歌と風流を好んだ。37歳の頃、京都の 尾形 周平 に作陶を学び、その後瀬戸、晩年は美濃養老山に窯を開き、養老焼と呼ばれた。作った作品は売る事はなく、ほぼ全て知人に送ったものと伝わっている。

器 花三嶋写 小皿 径12cm 高3cm
作 大橋 秋ニ