No.277 筍煮

今年の筍はとても柔らかくて香りが良い。少し前に合馬の筍が届いた。今年は “表年” と言われる豊作の年で、表年と裏年が一年毎、交互に巡ってくるらしい。地下茎の老化や葉の生え変わるサイクルが理由だとか。植物は、花も多く開いた次の年は少なかったりするけれど、一年おきに休息が必要なのだろう。
筍は、別に煮た厚揚げと一緒に盛り合わせた。汁に少し浮く厚揚げの油を筍が纏って、こくが加わる。庭の山椒はあっという間に大きく育っているけれど、生えたばかりの和芽を選んで香と色を添えた。今年も変わりなくこのご馳走をいただける事に感謝する。
美しい青磁の鉢は、川瀬 忍(1950〜)のもの。何度も登場している、私が大好きな古余呂技窯、二代 川瀬 竹春 の長男で、18歳から祖父の初代 竹春、二代の父のもとで作陶を始めた。中国、宋の時代の青磁を研究し、祖父や父が得意とする古染め風の呉須や色絵ではなく、独自の青磁を確立した。
宋の青磁に倣った緑味の強い色に料理が映える。見込みは、引き込まれるようなぬめりのある透明感。滑らかに開いた縁に鉄釉で線が回されている。外側の肌に付けられた盛り上がる几帳面な筋に青磁が掛かって、現れる色の濃淡が美しい。

器 青磁鉢 径21cm 高7,8cm
作 古余呂技窯 川瀬 忍
















