No.247 ダークチェリーのデニッシュ

日本に初めてデニッシュパンを紹介し、今でも提供し続けているパン屋さん ANDERSEN のダークチェリー。長い間お店を代表する人気らしいが、我が家でも一番人気のデニッシュだ。食事用のパンを買うために訪れても、ついつい買ってしまう。
ANDERSENは、1967年に広島市本通りに本店が開店した。本店の建物は1925 (大正14年) に、三井銀行広島支店として建てられ、その後の合併により、終戦時には 帝国銀行広島支店となっていた。原爆投下の爆心地から370mに位置する。当時、屋根は抜け落ち、爆心地側の壁も崩れていたそうだ。その後、1948年創業の “タカキのパン” というパン屋をやっていた 高木 俊介氏 が1967年、ここに ANDERSEN を開業する。デンマークで食べたデニッシュに感動し、日本でこのパンを売りたい、と製造技術を研究し、このビルを改修して ANDERSEN が誕生した。原爆の遺構として残されて来たビルのひとつなので、その後も改修を重ねて来たが、崩壊の危険性を考え2015年頃、大規模な改修、建替え工事に取り掛かった。本通りのこの本店を閉めて仮店舗営業となった。遺構を残すため、通常の建替えとは違い長い期間かかって2020年、やっと今の新本店が復活した。
今年の春、店を訪れた時にこのオリジナルのパン柄プリントを見つけた。見覚えのある ANDERSEN のパンが描かれていてひと目惚れ。家に帰って長年貯めて来たシールをかき集め、エコバッグとナフキンを手に入れた。
白いお皿は WEDGWOOD (ウェッジウッド)。欧米の白い磁器も、国やメーカーによって色や風合いが異なる。WEDGWOOD の白磁はアイボリーがかった温かみのある色で、釉薬が少し厚く掛かったような、しっとりした落ち着きがある。絵柄も彫刻も無い、潔いシンプルさにも好感を感じる。現在は廃盤となっていて、デザイン名は調べっれなかった。揃いのティーカップで、紅茶と共に大好きなダークチェリーを味わった。

器 Bone China パン皿 径18cm 高1,5cm
作 WEDGWOOD (ENGLAND)