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うつわ道楽

No.262 お正月の盛り合わせ

 歳を得るごとに時の経つのが早くなる。日々、それなりに忙しくしているのだけれど。特に昨年の夏の暑さは長かった。暑さが一段落したらあっという間に新年がやって来た。でも、もし病に臥せっていたら、と考えたら一日一日はとても長く苦しいだろう。だからこれは、健康で過ごせている証なのかも知れない。また今年一年、元気で過ごせる事を願う。

 年末を忙しく過ごしていたので、お正月料理はいつもの紅白の蒲鉾の他に、気に入った美味しそうな黒豆やなますを買い揃えて盛り合わせた。使った器は 飛来 一閑(ひき いっかん) の通盆。代と時代は不明。通盆とは、茶会や懐石で亭主が料理などを客人へ運ぶためのお盆の事。だから本来は直に料理を盛るものではない、のだけれど盛り合わせるのに大きさもちょうど良く、気に入っている。

飛来 一閑は、一閑張り細工の家で千家十職のひとつ。和紙を貼り合わせて生地を作り、それに漆を掛けて棗や香合などを作っている。初代は江戸時代初期 寛永6年(1629年)に、中国から渡来してきた明国の学者で、古代中国に伝わる乾漆工芸の印可を受けた技術の持ち主だったらしい。日本の良質な和紙を主原料に、独自の技術を考案したことが一閑張の始まりで、日本での創始者とされている。当代は16代に当たる女性が勤めているそうだ。

漆盆ではあるけれど、見込みの筋の凹凸が表情になって、器のように見えて来る。華やかな色の料理が美しく映える。

器 一閑張 通盆 5枚組  径22,5cm 高2,2cm

作 飛来 一閑 (代不明)