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うつわ道楽

No.268 熱燗

 裏庭の白梅が見頃を迎えた。紅梅の盛りが過ぎ、次は私の番と言いたげに良い香りを漂わせる。先日の雪で、枝や花に積もる雪にめげる事なく咲く白梅は美しい。昨年はこの木になった梅の実が豊作で、楽しませてもらった。

雪の日に、その “雪中梅” を眺めていてこの酒器を思い出した。ちょうど今が季節の器だ。なんとなく思い浮かべた “雪中梅” と言う言葉。どこから来たのだろうと思って調べてみた。

何か物語に出てくる言葉かと思っていたのだが、なんと新潟県上越市の日本酒の銘柄だった。”越乃寒梅” “峰乃白梅” と並び、越後三梅と呼ばれるそうだ。そう言えば昔、聞いた事があったような気もする。日本酒の銘柄で聞き覚えがあり、頭に残っていたのだろうか。でも、雪に咲く梅、としか表現していないのに、雪景色に美しく咲く梅の風景が眼に浮かぶ。実際には見たことがなかったとしても、写真や映像で見た記憶がそうさせるのだろうか。

 この酒器は、第16代 永楽 善五郎 (即全 1917〜1998) のもの。18歳で 善五郎 を襲名し、金蘭手、仁清写、交趾など多彩な技法で作品を残している。この酒器は乾山写で、土の上に藁灰を掛け、鉄釉と白薬、呉須を使って乾山らしい白梅が描かれている。箱には一対の酒器と、五客の猪口が組になっていたようだけれど、我が家に来た時に猪口はひとつ欠けていた。

寒い日の熱燗はご馳走。残念ながら日本酒の “雪中梅” は無かったけれど、手持ちの純米酒で温まった。

器 乾山写 梅 酒瓶 

酒瓶 径6,5cm 高11,5cm 猪口 径6,5cm 高3,5cm

作 第16代 永楽 善五郎 (即全)