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うつわ道楽

No.267 菜花の辛子和え

 立春が過ぎ、暦の上では春が訪れた。八百屋の店先にも春の野菜が並び始め、菜花の辛子和えを作った。春野菜は少し苦味のある物が多い。寒さの中で育ったせいかしら、なんて勝手に想像してみる。でもそのほろ苦さが春の味覚だ。

使った器は高取焼。黒田 長政 が朝鮮出兵の際に陶工を連れ帰り、福岡県直方市にある鷹取山の麓に窯が開かれたのは400年前、1600年頃と伝わる。江戸時代には黒田藩の御用窯で、二代藩主の頃に 小堀 遠州 と交流を深めた。遠州七窯に数えられ茶道具のお茶入れや水差しなどが多く伝わる。

 この古高取の向附は5客組で時代や作者は不明。陶器でありながらきめ細かい土を使い、磁器のような薄さが高取焼の特徴。4片の花弁が緩く曲線を描き、見た目で感じるよりも見込みが広い。まだらに流れる釉薬の表情は豊かで、部分的に厚く掛かる黒が器の表情を引き締める。

器 高取焼 輪花向附  径9cm 高5cm

作 不明