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うつわ道楽

No.136 鯛と帆立の昆布締め

 笹の葉を模した青磁の長皿。色や葉先の切れ込みで、見た目は軽やかだけれど持ってみると厚手でどっしりした安定感が有る。

実家で昔から使っているこの皿は、刺身を盛って食卓に載る事が多く、数種類の刺身を盛り合わせるのに丁度良くて使いやすい。特に今頃の時期にはこの青磁の色と、水滴が似合いそうな笹の葉の意匠が涼しさを感じさせてくれる。

この皿は、二代 宮永 東山(1907-1995)のものと思われる。初代 宮永 東山(1868-1941)は、石川県の藩士の家の生まれで、東京ドイツ全修学校(東京横浜独逸学園1904年9月20日開校 の事だろうか。詳細は不明)卒業後、海外貿易に従事。その後フランス語も学んで東京美術学校校長 岡倉 天心の助手を務め西欧諸国の美術施設の調査にも従事したという。帰国後京都に移り、後に自身で窯を開くに至る。東山の名は、岸田 露伴によって命名され、これを陶号としたらしい。初代 東山は青磁を得意とし、二代もそれを継いで青磁、染付け、色絵などを得意とし『食器の東山』と呼ばれたそうだ。

 盛り合わせたのは、鯛と帆立貝柱の昆布締め。鯛はひと晩、帆立は数時間だけ昆布に挟んだ。水分が適度に抜けるので甘味が引き立ち、昆布の旨味が加わる。冷蔵庫で冷やしておいたお皿に盛り合わせ、冷酒と共にいただくと、少し汗も引いてほっとする。

器 青磁 笹の葉長皿  径27x11cm 高2,5cm

作 宮永窯 二代 宮永 東山

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