No.140 アボカドと蟹のサラダ
パッションフルーツをいただいた。旅で南国へ行った時に食べた事はあったけれど、日本で自分で買った事はなく、今や日本でも栽培されていて、島とはいえ東京都産まで有ると知って驚いた。硬い殻の中に在る甘酸っぱい果肉はきれいなオレンジ色で、黒い種が混在する。良く知る大抵の果物は、中心に種が有るのが普通だけれど、これは柔らかいゼリーのような果肉に粒の種が混じっている、なんとも不思議な果物。種は硬くなく、カリカリした食感で果肉と一緒に食べられる。そのままで勿論美味しいけれど、甘酸っぱい果肉を使ってドレッシングを作ってみた。
深いワインカラーが美しい、しっかりした殻を切ってみる。果肉はきれいに取り出せて、殻の内側は柑橘類と同じような乳白色。これは素敵な器になると思いついた。アボカドと蟹のほぐし身のサラダを盛り付け、ドレッシングはパッションフルーツを生かしてあまり味を加えず、オリーブオイルと僅かな塩を加えただけ。ちょっとお洒落なオードブル風のサラダになった。
このガラスの皿は日本の切子。少しブラウンがかった、精製の度合いは高くないガラスだけれど、それが柔らかさと温かみを感じる。時代も作者も判らないけれど、ひとつひとつ、職人の手で削られた素朴なカットがこのガラスの皿と調和して、愛おしさを感じる。
器 ガラス切子皿 径12,5cm 高2,5cm
作 不明