No.13
毎年、自宅から近い川沿いの桜並木に、お弁当を持ってお花見に出かけていた。が、去年は、当時まだよく得体の知れなかった感染症、新型コロナウィルスが世界中に恐怖をもたらしていて疑心暗鬼。出かけるのを断念して、お隣のお宅の庭の桜を二階のベランダから拝見しながら、作ったお弁当でお花見をした。まさか一年経ってもあまり状況が変わっていないなどとは思いもしなかったが。今年はどうしたものか。でも取りあえず、本物の桜はお預けにして、古余呂技の桜の箸置きでお花見しながらお弁当を頂こう。
今回の主役は箸置き。花筏 と優雅な名がつく川瀬 竹春の箸置きだ。柔らかい生地の質感に、古余呂技窯の特徴的な黄、緑、青を使いふっくらした桜の花が華やかに手元を明るくする。使い古した塗りの俵型弁当箱には、鶏そぼろご飯と具入りの卵焼き、彩りのブロッコリ、そして甘みのある雪の下人参は、沖縄風にしりしりにして詰め合わせた。
箸置き 花筏 (はないかだ)
作 古余呂技窯 川瀬 竹春