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うつわ道楽

No.142 ぬれ甘なっと

 70年続くという、小豆を甘く炊いたぬれ甘なっと。その味を守り続ける調理の工程には、企業努力と多くの工夫が有るのだろう。小豆だけでなく、甘納豆は他の種類の豆でも色々有るけれど、私の好みは小粒な小豆の甘納豆。親の世代にもこのぬれ甘納豆のファンは多い。

 日本では世界各国のスイーツが次々と流行り、間も無く別のスイーツに移り変わって行く。スイーツにそれ程の情熱が無い私は、知らぬ間に流行りが移り変わっている。小さな面積の流行りのスイーツ屋さんが、オープンしたかと思うと試す間もなく別なスイーツ屋さんになっていたりする。スイーツ好きな人々のそれを探求するエネルギー、ただ『すごいなぁ』と感心するばかりだ。

この京都、粟田焼の小皿はとても繊細。きめの細かい土、甘めの焼きなので沁みやすい。色のある汁の物はもちろん、小皿だけれど醤油などは入れられない。いつの時代の誰の作、などは判らないが、鉄釉と呉須でさらっと描かれた秋草が美しい。この色使いと細い線で描かれた絵は、粟田焼の特徴。生地を成形して下焼せずに生掛けにしているから、だろうか。所々釉薬が爆ぜていて少し残念だけれど、地肌が露出している所は更に沁みやすいから、水分の無いお菓子などを盛る時に使っている。

器 粟田焼 小皿  径9,5cm 高2,5cm

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