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うつわ道楽

No.156 冬至のオードブルプレート

 今日は冬至。冬至に食する風習の南瓜、煮物にする事が多いけれど、今年は少し趣向を変えてマッシュドパンプキンにしてオードブル風に盛り合わせた。皮を取って柔らかく茹でた南瓜は、熱いうちに軽く潰して、塩、胡椒、バターで味付けし、温かいうちにレーズンを加える。南瓜の優しい甘さとレーズンの甘酸っぱさ、トッピングに軽くローストしたスライスアーモンドを乗せると、更に香りと食感にアクセントが付いて美味しい。

トマト、プルドポーク、明太子とサワークリームの3種のブルスケッタや温野菜と盛り合わせたのは、Rene Lalique(ルネ ラリック)の『COQUILLE(コキーユ)』と呼ばれる貝をモチーフにした皿。調べてみたら作られたのは1924年。時代を反映したアール デコの、ラリックの代表的なデザインのひとつとなっている。オパルセントと呼ばれる青く乳白色に光るガラスで作られた物と透明ガラスの物が有るらしい。この皿は、オパルセントではあるようだけれど、色の出方がとても淡く、光の具合で淡く色が浮かぶ事もあるが、殆ど透明のように見える。

幾何学的に並んだ帆立貝の様な貝殻、殻頂(かくちょう)と呼ばれる二枚貝の繋がった頂点が中央に集まり、その厚みのある4個の突起が皿の脚となっている。この大きさの皿に中央に寄った4点の脚は不安定そうに思えるが、ガラスの厚みが重さになって、とても安定感が有り、貝の立体感も上手く表現されている。厚みを感じさせないガラスの透明感を活かしたデザインに感心する。

器 COQUILLE(コキーユ) 径30cm 高4cm

作 Rene Lalique(ルネ ラリック)