No.164 ナッツとチョコレート
古染付けかと見違えてしまいそうな、この小さな皿はオランダの陶器製。まだ、ヨーロッパに磁器を焼く技術が無かった頃、東洋の白い磁器に憧れて白い釉薬を掛けて作っていたのだそうだ。この皿も裏を返すと、釉薬の掛かっていない陶器の肌が覗いている。
それにしても小さい。小さきものはなんでも可愛いけれど、この皿は大きい方で直径が8センチ。普通のケーキ皿ほどの大きさがあっても、変わらず素敵だろうと想像してみる。この小さい皿に何を盛るのか迷って、ナッツとチョコレートを盛ってみた。お洒落に、優雅に、赤ワインかウイスキーと共に楽しむのが似合いそうだ。
いつの時代に、どんな人が拵えたのだろう。この小皿は大小一枚ずつ、ヨーロッパ更紗で作られた、それぞれにぴったりな大きさの布の袋に入れられて、ひとつの箱に納められていた。こんなに小さな皿でも、与える感動と、大事に思う気持ちは人を大きく動かして来たのだなあ、と愛おしく思う。
器 オランダ 小皿 大 径8cm 高1,5cm 小 径6cm 高1cm
作 不明