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うつわ道楽

No.181 いさきの刺身

 旬のいさき。あまり馴染みがなかったけれど、地元の魚屋の店頭で美味しそうな半身が出ていたので買ってみた。元々、淡白な白身で、塩焼きでいただくことが多いけれど、生のいさきの身は、鯛よりは少しピンクががかった透き通るような白身で、適度に脂が有ってとても美味しい。

 刺身用の半身を買って来て自分で切り分けたら、薄く切ったつもりでも思ったより厚く、見た目も少し暑苦しい盛り付けになってしまった。やはりお料理屋さんのようには行かないものだ、と思いながらとても美味しくいただいた。

 この舟形の皿は、野々村 仁清を模して第2代 清水 六兵衛が作ったもの。白濁した釉薬の垂れた跡が模様にもなって、表情に変化が有って美しい。仁清を模しただけあって皿は薄作り。5枚組の内のこの皿は、窯の火の具合で見込みの中央に少しだけ赤味が強く出てピンク色。皿はそれぞれが釉薬の垂れと色の出方に違いがある。きめの細かい土とへらで両端を切ったシャープな舟形は、洗練された上品さを感じる。

器 仁清 向付 舟形皿 5枚組  径14x10cm 高3,5cm

作 第2代 清水 六兵衛