No.184 カルピス
今はまだ梅雨にもかかわらず、もう真夏かと思うような強い陽射しが照り付ける。こんな蒸し暑い日は甘酸っぱいカルピスが美味しい。このブログで2回目の登場となるカルピス。前回は、No.34(2021年8月20日)で、ガラス作家、江波 冨士子さんの鯛の模様のコップを紹介した。
今年で105周年を迎えるカルピスは、1919年(大正8年)7月7日に販売が開始された。だから七夕の日はカルピスの誕生日。発売当時のカルピスはビン詰めで紙箱に入って、中身の味とはかけ離れた、まるで養命酒の様な包装だったらしい。さすがに外見と中身のギャップが有ったのだろう、1922年に瓶を爽やかな水玉模様の包装紙で包んだ形態に変わった。この水玉模様は、発売日の七夕に因んで天の川をイメージしたもの。1922年の最初の包装紙は、青地に白の水玉模様だったが、その後1949年(昭和24年)に配色を逆にし、私達の見慣れた白地に青の水玉に変わったのだそうだ。
カルピスを作るための乳酸菌、カルピス菌は大正時代からずっと同じ菌が使われていると言う。新鮮な牛乳から脂肪分を取り除いたものにカルピス菌を加え、発酵させ、発酵することで増えたカルピス菌の一部を保存タンクに戻す、ということを続けて、秘伝のタレのようにカルピス菌を代々受け継ぎながら守っているのだそうだ。
この ”朝顔グラス” と呼ばれるガラスコップは、売り物ではなくノベルティとして作られたもの。何度も代替わりして、少し前まで作られていたらしい。調べたけれど、最後に作られたのがいつか、は解らなかった。でもかなり長い期間作られていたらしく、調べると様々な朝顔グラスが作られて来たのがわかる。
この、縦書きのカタカナロゴのこのグラスの時代は昭和の半ば頃だろうか。後半に作られたものは、ロゴはアルファベットだし、その前はカタカナでも横書き。この縦書きのカタカナはそれ以前と思われる。とても小振りで、喉が渇いている時にはこれでは足りないな、と思うけれど、シンプルでキッチュな愛らしさがある。
器 朝顔グラス 径7cm 高9,5cm