No.186 トマトソース
今年も 鱧が魚屋の店頭に並んだ。ほんの10年前、関東で鱧は季節の短い間、何度か魚屋で見かける程度だったと思う。でもここ数年、鱧は夏になると必ず有って、欲しい時に手に入る食材となった。
”カラマリ”というイタリア料理がある。私が大好きな料理だ。烏賊をリング状に輪切りにして、衣をつけて揚げたもの。いわゆるフリットだ。少し厚みのある衣にレモンを絞ってトマトソースをつける。冷えた白ワインとの相性が素晴らしい。何となく今日は鱧の気分で買い求めてから、白身で淡白な鱧はきっとフリットにしたら美味しいのでは、と思い付き烏賊と海老も加えてフリットを作った。
フリットを盛り合わせたのは Susie Cooper のボウル。これは以前No.33 (2021/8/13) の回で人参のラペを盛って使っているので、今日の主役はトマトソースになった。こちらも同じく Susie Cooper。フリットを盛ったボウルは、帆船の、古いタイプのバックスタンプだが、今回の器は鹿のバックスタンプなので、時代的には今回の器の方が近世のものだ。ソース入れに使ったが、この器は本来はシュガーボウル。組み合わせてソーサーにしている皿もソーサーではなく同じ柄の小皿だ。この柄でカップ&ソーサーも持っていて、ひとり用のティーセットとして購入した。朱色と黒でまるでアルファベットの ”Q” を逆さにしたような、キュートな飛び柄が愛らしい。
花柄の大きいボウルとシュガーボウル、どちらも Susie Cooper で、少し時代は違うけれど、同じ華やかな朱色が使われていて組み合わせて使うと思った通りの統一感。楽しい時間を過ごした。
器 Susie Cooper シュガーボウル(径9cm 高4cm) 小皿(径13,5cm 高1cm)
作 Susie Cooper