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うつわ道楽

No.195 お月見プレート

まだまだ残暑厳しく、猛暑日の最遅記録更新中だけれど、もうすぐそこまで秋はやって来ているらしい。気がつくと夕暮れが早く、陽が傾くと涼しい風が吹いて来る。青空の残る空に欠け始めた月。冷えたワインで月を眺めながらいただこうと、料理を盛り合わせた。

 箱も銘も無く、窯も作者も判らない。すすきのような草が彫られた鼠志野の角皿。彫られた窪みに釉薬が溜まり、白く浮き出している。叩きで作られた平たい皿は、四方が少し持ち上がり、そのごつごつした縁の質感がとても力強い。大きな窯傷が2本、金継ぎで埋められていて、近頃の気候のせいか、稲光のようにも見えたりする。中々使う機会がないのだけれど、心惹かれる皿だ。

 盛り合わせたのは、いちじくと生ハム、蛸のカルパッチョ、マッシュルームのブルスケッタ。ブルスケッタは、いつもトマトで作ることが多いけれど、思い付きでマッシュルームを使ってみたら思った以上の美味しさ。これから我が家の定番メニューに加わりそうだ。このブルスケッタは、ブラウンマッシュルームを薄切りにして、塩とオリーブオイルをまぶしておく。バケットににんにく風味のオリーブオイルを少し塗って、マッシュルームを載せ、おろしたパルミジャーノチーズをかけてオープントースターで焼くだけ。マッシュルームは、もっと山盛りにしても良さそうだ。好きな料理に加えて、新しいメニューも加わり、美味しい時間を楽しんだ。

器 鼠志野 角皿  径25x28cm 高3cm

作 不明