No.199 常備菜
この、磁器の小皿の作者は 八田 円斎 (はった えんさい 1862〜1936)。 元々は古美術商だったのが、縁有って、東京 戸越銀座の窯を受け継ぎ、八田窯を開く。裏千家13代 円能斎の“円”の字を賜って円斎と号した。仁清写を得意とし、どちらかと言うと陶器の作品が多い作家さんなのだけれど、この古染写もとても繊細。磁器の器も上手く作る作家さんだ。個性の強い器ではないけれど、つい使いたくなる。
少し縁が高くなったこの小皿は、副菜や酒のつまみを盛るのにぴったり。大きさも形も使いやすく、とても薄い。軽い印象で、個性が強くない分、複数並べても『くどさ』が無く、並べて使ってみたくなった。作り置きに更に作り足して、五種類の常備菜をそれぞれに盛ってみた。お酒のつまみにぴったりな盆ができた。
盛ったのはポテトサラダ、茄子と南瓜の煮浸し、きのこのマリネ、ほうれん草のナムル、ひじきの煮物。この時期のポテトサラダは、薩摩芋と馬鈴薯とを半々くらいにして作る。後はいつも通り、茹で卵や人参、胡瓜を併せる。甘味のある薩摩芋とマヨネーズの酸味が良い感じで合わさって、ひと味違う秋の楽しみのひとつ。お馴染みの料理ばかりだけれど、気分が変わって楽しめた。
器 古染付写 笛吹人 小皿 径10cm 高3cm
作 八田窯 八田 円斎