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うつわ道楽

No.202 秋の吹寄せ

 出掛けたついでに、老舗料亭のスイートポテトを買って来た。たまたま頂いた老舗和菓子店のお干菓子と一緒に、楽の輪花の皿に盛り合わせたら、皿の中に秋の風景が出来上がった。焼が甘く、陶器としては脆く壊れやすい楽焼は、使うのにとても気を使う。水も滲みやすいから、盛る物に含まれる水分や脂分も染みになるので、使う前には予め水にいれる。

 このスイートポテトは、洋菓子とは違ってバターや乳成分が使われていないので、薩摩芋の旨みがそのまま。上に散らした黒胡麻も相性良く、風味が際立つ。繊細な季節のお干菓子は、自分では滅多に買う事はないけれど、自然を身近に取り込む”和”を楽しんだ。

菊の輪花の皿は、楽焼 第11代 楽 吉左衛門 (慶入1817〜1902)の作。土の造形だけで色の釉薬や絵の無い皿は、暖かく寛大で、強い。寛大だから盛る楽しさを感じさせてくれる反面、盛る側の力も試されるようで、学びも多い。

器 菊型皿 五枚組 径16cm 高4cm

作 楽焼 第11代 楽 吉左衛門