No.21 蕪とトマトのサラダ
いつも行く八百屋に、今週やっと野辺地の蕪が並んだ。まだ少し小さめではあるけれど、綺麗な緑色の葉をつけた白い蕪。3月に石川の蕪(No.12の回で使った)が終わって2ヶ月、これからが旬の、この蕪が出るのを楽しみにしていた。野辺地の蕪に出逢ったのはもうかなり前になる。この八百屋のスタッフで、ずいぶん前に引退された、皆にちゃま様と呼ばれていたマダムに教えてもらったと記憶している。今やブランド野菜として有名な蕪だが、当時の私は見たことのない蕪だった。そして自分の蕪好きに目覚めたのも、この蕪に出逢ってからだ。『火を通さずに生で食べると美味しいのよ。葉と茎は胡麻和えが良いわよ』と、ちゃま様に教えられた。以来、蕪の葉の胡麻和えも定番メニューとなった。
蕪は、瑞々しくきめの細かい食感を活かしてくし形に切った。この時期に出回る、これも楽しみにしている光輝トマトと共に、オリーブオイルとビネガーでマリネしてサラダにした。写真で見ると白い蕪がカプレーゼのモッツァレラチーズか、と見違える程のきめの細かさだ。
気温が上がって来た今頃からは、そろそろガラスの器の出番。このリーフ柄のルネ ラリックの皿は、器を集め始めた最初の頃から使っているもの。5枚揃っているラリックの皿は珍しい。デザートやサラダ、ガラスの重ね使いのソーサーとして、ずっと使って来たものだ。改めて調べたら、ORMEAUX (オルモー 仏語で楡)という名前のシリーズで、1931年に作られたものらしい。楡の葉は実際に見た記憶がないが、調べたら確かにこのモチーフのように先が細く、葉脈が規則正しく並んでいる。ラリックの他の作品でも感じる事だが、モチーフはとても写実的だ。放射状に重なる葉が、中央に盛った料理を引き立ててくれる。
器 ルネ ラリック ORMEAUX 皿 径18,5cm