No.23 エンドウ豆の葛かけ
大阪、なにわの伝統野菜に指定されている、碓井エンドウ。関東では滅多に出回らず、この前八百屋の店頭で初めて見つけた。その日のお目当てはグリーンピースだった。見つけた、と思ってよく見ると全体が黄味がかっていて、一瞬、鮮度がイマイチ?と勘違いしたのだが、よく見ると商品名が違う。うすいエンドウ。聞いた事がなかった。尋ねると『グリーンピースみたいなものだけど、もっとホクホクして青臭さが少ない。関西でよく食べるんだよ。美味しいよ』と教えられた。考えていたメニューは、出汁と薄口醤油で翡翠風に煮て、味が絡むように少し葛を掛けようと思っていたので、この豆で初めて作ってみた。確かに青臭味が無く、ホクホクして豆の味が濃い。色が若干黄味がかっている分、思っていたグリーンピースの様な色の鮮やかさには欠けるが、発芽する芽の部分が黒く、可愛らしい豆だ。これはこれ。とても美味しくいただいた。後で調べたらアメリカから伝わった種で、日本では大阪府羽曳野市の碓井地区で根付いたそうで、この名がついた。現在は和歌山県の特産らしい。関西ではこの豆でお豆ご飯をするそうだ。次回出逢うことが有ったら、ご飯でいただいてみたいと思う。
葛をかけた煮物なので蓋物に、と思いこの小振りの永楽の器に持った。赤絵に金を使って、さらっと描かれた筆使いがとても優しい。蓋物にしては小さめな作りで、小鉢として、本体だけでもよく使う。第14代 永楽善五郎 (得全)の奥様で、永楽妙全(みょうぜん 1852-1927 お悠さん)の作ではないか、と思われる。
器 赤絵蓋付小鉢 径8,5cm 高8,5cm
作 永楽 妙全