No.250 お月見団子

つい数日前の中秋の名月。関東地方は残念ながら雲が多くてお月様は拝めなかったけれど、お月見団子を作った。本来は15個の丸い餅をピラミッドの様に積んで飾るのだけれど、我が家で15個作っても持て余してしまうので、一度に食べ切れる分だけ作った。
初めて作るお団子は、白玉の事を思い浮かべて丸く作るのは難しそう、と思ったけれど白玉粉と団子粉は原料が違っていて、扱いやすく形も作りやすい。出来立て、茹でたてのお団子はもちもちして、期待より美味しく出来た。粒あんを載せてお月見気分を味わった。
お団子を 『中秋の名月』 にぴったりの小皿に盛った。銀彩で大きな満月、その手前に金で描かれた、まだ固い穂が付いたすすき。この小さい見込みに描かれた風景が、実物大の景色として目に浮かぶ、そんな皿だ。月とすすきの茎は皿の裏にも続きで描かれていて風景の広がりを感じる。
この皿は 永楽 善五郎。何度も登場している 妙全(1852〜1927) か、その夫の第14代 善五郎 の得全(1853〜1909) のもの。早く亡くなった得全の後を次の代まで窯を守って繋いだ妙全は、得全が使っていた印を使った作品も多く、そうなるとどちらが作ったのか厳密には判らないらしい。我が家に来たのは箱も無く裸で5枚、もっと数が有ったのかも知れない。京焼らしい上品さと華やかさが有る皿、季節を楽しみながら大切に使って行きたい。

器 永楽窯 月とすすき小皿 径10,5cm 高3cm
作 第14代 永楽 善五郎