カテゴリー
Uncategorized

うつわ道楽

No. 28 金平糖

 織姫と牽牛。年に一度、七月七日の夜に会うことが出来ると言われる七夕の伝説。子供の頃は笹に願い事を記した短冊を下げて、叶うように願ったものだった。

元々は中国で前漢の頃、采女が七月七日に七針に糸を通す『乞巧奠』(きこうでん)と言う風習が記された文献が有り、これが七夕の起源とされる。その後の南北朝時代の『荊楚歳時記』には、七月七日は織姫と牽牛が会合する夜である、と有りその夜には女性達が7本の針の穴に美しい彩りの糸を通し、針仕事の上達を願った、と記されているそうだ。日本には、奈良時代にこの風習が伝わり、日本古来の『棚機津女』(たなばたつめ)の伝説と合わさって宮中や貴族の間で行事として行われたらしい。その後、江戸時代になって手習い事の願掛けとして庶民にも広がったとされる。

 星に見立てた金平糖を盛ったのは、刷毛目のぐい呑みで、高橋道八のもの。江戸後期から続く京焼の窯元で、道八の前に代々それぞれの号が付く。このぐい呑みの印は 「道八」 となっていて2代 仁阿弥 道八か、3代 華中亭 道八かは定かでない。口が広く涼やかな刷毛目は、これからの季節にちょうど良さそうだ。

器 刷毛目ぐい呑み 径7,5cm 高2,5cm

作 高橋 道八

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です