No.76 アメリカンチェリーの赤ワインコンポート
和種のさくらんぼに先駆けて、今店頭に並んでいるアメリカンチェリー。初めて食べた時は果肉が厚く、その食べ応えに驚いた。味もしっかりしていて淡い色合いの和種のさくらんぼとはかなり違う果物だ。だから加熱して食すのに適しているのかもしれない。
思えばこの赤ワインでコンポートしたダークチェリー、私が好きなデニッシュパンにも昔から載っている。日本で初めて店舗で焼きたてのデニッシュパンを販売した、という今や全国展開のパン屋さんだ。その創始者がヨーロッパを訪れた際に、デンマークで焼きたてのデニッシュパンを初めて食べて魅了され、日本で始めたと聞いている。その時デンマークでダークチェリーのデニッシュパンを食べたかどうかは判らないけれど、今はその店を代表するメニューとなっている。
地元で、昔から家族でよく行くイタリアンレストランがある。年に6回、隔月で料理教室を開いていて、数年前のこの季節にアメリカンチェリーを赤ワインで煮たこのコンポートを使ったデザートを教えていただいた。先日、美味しそうなアメリカンチェリーを店頭で見つけたら久しぶりに食べたくなって、レシピを探し出して作ってみた。そのレシピは、赤ワインとアマレットを使ったのだけれど、アマレットは手元に無かったのでワインと同じく葡萄が原料のブランデーで代用した。教えていただいたデザートはヨーグルトにホイップクリームを併せたものにチェリーを添えたのだけれど、今日はさっぱりと水切りしたヨーグルトだけ。ベランダの鉢植えからペパーミントの葉を摘んで飾った。
このガラスの鉢を使うのも久しぶりだ。ヨーロッパの物ではあるがメーカーや時代は定かでない。上部にぐるりと花と葉の模様がガラスの表面をカットで細工されて連なり、金粉が施されている。底にも花が一輪。器の口にもぐるりと金が回されている。使われて来たために金は所々薄れているが、モチーフが可憐で涼しげな印象だ。
器 金彩ガラス鉢 径13cm 高7cm
作 不明