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うつわ道楽

No.79 蛸のジェノバソース

 ベランダで、大き過ぎるほどに繁ったバシルを大量に消費しようと、ジェノバソースを作った。これも以前、地元のイタリアンレストランの料理教室で習ったレシピだ。松の実とパルミジャーノレッジャーノ、少量のガーリックにオリーブオイルを加えてペースト状にする。塩とガーリックは控えめにしておいて、使うメニューに合わせて調節する。

イタリアの北西部、ジェノバ辺りの料理であることからこの名が付いたソースで、パスタに和えるととても美味しい。トマトソースやピザのトッピングにしたり、ドレッシングに加えたり、楽しみ方は色々ある。濃い緑色のソースは見た目にもアクセントになる。オイルや道具を冷蔵庫で冷やして準備し、低温で手早く仕上げるのがポイントだそうだ。

盛り付けた料理は、今が旬の茹でた真蛸にポテト、いんげんをジェノバソースで和えたもの。冷えた白ワインによく合う。夏至が過ぎて7月初旬は半夏生。一年のうちで昼間が最も長くなる時期だ。昔からの農家の風習で、この時期には蛸を食す。昨年のこの時期にも書いた記憶があるが、8本もある蛸の脚のように作物の根がしっかり張るように、との想いが込められているのだそうだ。タウリンが豊富な蛸を食べて暑さ対策にもなり、実益を兼ねた食文化だ。

使った皿は古染め付。作られたのは約400年ほど前の中国で、遠い昔に海を渡って日本に来た皿だ。大切に使われて時が流れ、今は私がイタリア料理を盛って楽しめるとは贅沢な話だわ、と感謝の気持ちで楽しんだ。

器 古染め付皿 径15cm 高3cm

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