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うつわ道楽

No.100 白子の天麩羅

 暫く仕舞ってあった十字文の皿。とても気に入っているけれど、どこに仕舞ったのか見つからず、ずっと探していた。先日やっと見つかって嬉しくなって久しぶりに使ってみた。

この径の皿は和食器には少ない。少し深さのある見込みも、料理を盛るのにとても都合が良い。意匠だけでなく料理を盛るという実用にも適していて、作る側には料理を盛ってみたいという気持ちにさせる皿だ。北大路 魯山人の器は、食べる人にも料理人にもとても魅力的だ。

季節の鱈の白子を天麩羅にした。舞茸とししとうも盛り合わせ、塩とすだちを添えた。サクッとした衣にふわふわ、とろとろの白子は、ぽん酢や鍋でいただく時の食感とも違っていて美味しい。

 昨年の元旦から始めたこの『うつわ道楽』も今回100回を迎える事ができた。毎回、その器が生きる料理を目指してはいるのだが、後から見返すともっとああすれば良かった、とかこうが良かったか、と考える。でも料理はその時食べて無くなるもの。また次にその器を上手く使う事ができれば良いのだ、とも思う。道楽なのだから。これからも気の向くまま料理を盛って楽しみたい。

器 鵜班釉 十字文 平向付 五客  径19,5cm 高3,5cm

作 北大路 魯山人

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