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うつわ道楽

No.106 おせち

 新しい年の始まりを飾るおせち料理。今年も好きな料理をいくつか用意した。三が日も過ぎ、まだ残っている料理を今年の干支の皿に盛り合わせてみた。

今年のローストビーフは和風に仕上げた。焼いてから出汁ベースのたれに漬け込んでいるので、日持ちもしてお正月には重宝する。卵は伊達巻きの生地だけれど、焼いて巻かずに型に入れて蒸している。楽に作れてしっとり柔らかく仕上がる。年末に忙しい思いはするけれど、あれこれ作って迎えた新年の食卓は楽しい。

この器は写し物の名人と呼ばれたと伝わる、横井 米衾(よこい べいきん 1885〜1941)の皿で、古染を写したものと思われる。その元となった古染は不明だが、兎の絵柄は人気が有るので有ったら希少だと思う。米衾は、本業は古美術商だったのだそうだ。商品を扱ううちに、自ら作陶するようになり、大正13年に東雲焼の窯を譲り受け、朝鮮系の焼物から日本の土ものまで幅広く写しを作ったそうだ。

この皿、見込みは中央の兎以外は吹き墨で埋められ、縁の白磁の肌が残る部分が白く抜けて、額縁のような効果で料理が映える。最後に現れる兎は少しシュールで不思議な趣が有る。

器 染付 兎吹き墨皿  径 14cm 高 2,5cm

作 横井 米衾

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