No.108 焼き油揚げ
今日からは二十四節気で言う大寒。文字通り冬でいちばん寒い頃を指す言葉で、1月の初め頃から今までが小寒で今日から半月ほどが大寒、そして次の立春へと移って行く。いちばん寒いと言うと『激寒』とか『極寒』が思い浮かぶけれど、寒さを大小で表すのは二十四節気を作った中国に倣ったのだろうか。二十四節気は古代中国で作られた暦。太陽暦は既に有ったが、四季の移り変わりに準じて季節を知る目安に、と長い年月かかって確立されたという。種まきの時期や狩猟採集のための暦が必要だったのだろう。
寒い時期は生姜を食すると良い。これも中国で確立した漢方の考え方で、生姜は身体を温める食材の代表格だから。日本でも生姜は一般的で良く使う食材だが、中国やインド、タイランド、などアジア全域で使われている。様々なスパイスや、その国の特色ある調味料、例えばタイのナンプラーなどによって生姜の風味も違った味わいになる。日本なら醤油。生姜醤油は大豆製品ととても相性が良い。冷奴や湯豆腐、飛龍頭。私は炙った油揚げと生姜醤油の組み合わせが気に入っている。
細かい輪花の皿は南京赤絵。花と蝶が色鮮やかに描かれていて、輪花の縁取りにも赤が使われ、とても繊細な印象を与える。私がとても大事にしているお気に入りのひとつだ。ところが、以前の地震で大きく揺れた時、棚の中で隣の器と当たって輪花の縁が所々欠けてしまった。5枚有る皿がそれぞれ少しずつ被害に合った。残念だけれど、大きく壊れなかったのが不幸中の幸いと感謝したい。
器 南京赤絵 輪花皿 径14,5cm 高3,5cm