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うつわ道楽

No.110 湯豆腐

 明日は立春。前日の今日が節分で旧暦の大晦日にあたる。豆まきは『鬼は外、福は内』の掛け声でこれまでの一年間の邪気を祓う儀式だと言う。

世間では節分の恵方巻が人気。様々なお店がオリジナルの恵方巻を店頭に並べていて、見て歩くのも楽しい。しかし最近知ったのだが、古来から立春の縁起物として豆腐を食べる風習があるそうだ。白い豆腐には邪気を祓うほどの霊力が宿るとされ、節分に食べると一年の罪や穢れを祓い、立春に食べると清めた身体に福を呼ぶのだとか。

豆腐料理、と考えて久しぶりに熱々の揚げ出し豆腐が良いか、と思ったが邪気を祓うほどの、と言われると真っ白いままの湯豆腐が一番だろう。身体を温めて消化も良く、この季節には特に美味しい。薬味には葱とおろし生姜で更に効果的。理に適った料理だと思う。今年は恵方巻は作らずに、見繕って気に入った物を少しだけ買って来たので、豆まきをしたら湯豆腐と太巻きで節分の夕餉としよう。

湯豆腐は土鍋で煮るけれど、取り皿には古染付の向付を使った。熱い豆腐を入れるには少し厚手の器を使うのが良いのだけれど、今日は少し改まった気分でいただこう。少し深さのあるこの大きさは小鉢としても使いやすく、和え物や副菜を盛るのに重宝している。見込みの絵は大きな手の付いた盛り花。呉須一色の絵付けだけれど華やかで優しい。旧暦の正月となる明日の立春、福を呼び込むためのお豆腐料理は何にしようか。

器 古染付 向付  径13,5cm 高4,5cm

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