No.123 シーフードグラタン
グラタンが食べたくなった。よく作るのはチキンだけれど、今日は近頃手に入りやすいサーモンと帆立貝柱でシーフードにした。幼い頃、食べず嫌いで偏食だった私が、唯一安心して外食で食べられたのは、チキンマカロニグラタンだった。今でもバターの効いた濃厚なベシャメルソースを使った料理は大好きで、グラタンの他にもクリームコロッケやラザニア、ギリシャ料理のムサカなど、ちょっと面倒だから滅多に作らないけれど、時々とても食べたくなる。
バターと小麦粉を弱火でしっかり炒めて、牛乳を加える。ソースは粘度があるので、沸くとまるでマグマのようにグツグツと大きな気泡がはじける。前にアルバイトで勤めたデリで、この時にしっかり火を通すのがコツ、と習ったので火傷に気をつけながら、焦げないように木べらで混ぜてしっかり火を入れる。グラタンは焼き上がりの香ばしい香りと表面のカリカリの食感で、満足感を感じる料理だ。
オープンに入れるので、グラタンは耐熱容器で作るが、熱い容器を載せるアンダープレートにちょっと華やかな皿を使った。年代は不明だが、多分それほど時代のある皿ではないと思われる。メーカーは英国のMINTONだが、ニューヨーク、5thアベニューに在った食器店のために作られた物らしく、バックプリントに記されている。調べたがその食器店は今は無いのか、判らなかった。
縁に回した金の彩色は、時を経てもほぼ新しい時と遜色なく残っていて豪華な印象、ブルーのエナメル質の小花は透明感が有って美しい。我が家の中では華やかで、少し毛色の違う器だけれど、時にはこんな明るさも気分が変わる。
器 金線小花ケーキ皿 径20cm 高2cm
作 MINTON England