No.130 鯵の南蛮漬け
鯵で好きなメニューは、刺身になめろう、塩焼き、そしてアジフライ。どう料理しても美味しい。豆鯵なら唐揚げも良いし、残ったらそのまま南蛮漬けにしたりする。今回は甘酸っぱい味が欲しくなって、3枚におろした鯵で南蛮漬けを作った。
梅雨の蒸し暑い時、酢を使った料理は日持ちもするしクエン酸は疲労回復にも効果が有る。私達に僅かに残っている野生的な本能は、身体が欲する酸味を求めているのかもしれない。本来、動物は酸っぱい匂いは敬遠する。自衛本能で、腐敗した食物を嗅ぎ分けるためだという。でも二足歩行を手に入れ、脳が飛躍的に大きく進化した人類は、身体に有効な酸味と、有害な酸味を区別する術を身につけたそうだ。すごい事だと思う。
鯵は卸した半身を食べやすい大きさに切って、唐揚げに。野菜も軽く素揚げして熱いうちに漬け汁に入れる。野菜は、パプリカと黄色いズッキーニ、ししとうを盛り合わせた。酢が入っているので、ししとうの鮮やかな緑は色褪せてしまうけれど、しんなりした甘酸っぱいししとうも美味しい。
この木の葉を象った皿は、須田 菁華のもの。初代か2代の作かは定かではない。磁器に呉須で絵付けした、古染を模した作品が多く、私も好んで使っている。裏には脚が3本、脚の高さがあって食卓では高低差が出て変化が付く。緩く抱えた見込みはおおらかさを感じる。
器 木の葉皿 径21×11,5cm 高5,5cm
作 須田 菁華