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うつわ道楽

No.257 熱燗

 紅葉の季節。色付いた葉が青空に映え、乾いた風に落ち葉が舞う。寒い季節を思うと暗くなるけれど、長すぎた暑さを思うとほっとしたりもする。気温が定まらない今頃は、ちょっとした気温差で身体が欲する温度も変わる。冷たかったり温かかったり、熱かったり。

熱燗が美味しい季節になった。手付きの徳利は、第4代 清水 六兵衛 のもの。色付いた紅葉の葉が水に浮く様だろうか。円形の銅は、よく見ると縦に細い面が取ってあり、六兵衛らしさが見える。呉須と朱で描かれた秋の景色に、口周りと手に使われた金が華やかさを加える。

手が付いている徳利は珍しい。大きめに開いた口とその脇に丸い手が付いている事で、和食器から離れて西洋風な趣を感じる。酒ではなくソースやドレッシングを入れても使えそうだ。次は湯豆腐のたれを入れてみようか。

器 手付き徳利  径 6cm 高 11,5cm

作 第4代 清水 六兵衛