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うつわ道楽

No.258 帆立の昆布締

 新鮮な帆立貝の貝柱は、それだけで甘くて美味しいけれど軽く昆布締めにすると味が凝縮し、旨味がねっとりと舌にからみつく。

 帆立貝の形をした皿には、やはり帆立を盛ってみたくなる。この皿はいつ、どこで作られた器なのか判らない。添っている箱が無いので情報も無い。皿を見ると、まるで古染付のような肌で裏には高台が無く、帆立貝を模した筋が走る。絵は西洋の更紗を思わせるし、呉須は縁取りのほんの一部に使われているだけでほとんどは赤、そこに所々金泥が乗る。東洋と西洋が混在する、華やかさと可愛らしさも同居する、不思議な皿だ。料理を盛るより飾って楽しむための皿なのかもしれない。

帆立の昆布締めは、八百屋で見つけた皮が翡翠色の大根、ブロッコリースプラウトと盛り合わせた。つまに工夫を凝らして盛り合わせるのも楽しみがある。

器 赤絵 帆立貝皿  径 縦16,5x横16cm 高 3,5cm

作 不明