No.299 枝豆と三つ葉の白和え

もっさりとした柔らかい土、おおらかなヘラ目の湯呑み。いつもは私がぐい呑みにしているから、柔らかい土にほのかに日本酒の香が残るけれど、今日は白和えを盛った。あたたかい豆腐の白い色が器を明るく彩る。
白和えには枝豆と軽く湯掻いた三つ葉を和えた。枝豆は、この季節ならではの実ったばかりの大豆。新鮮な緑の色が美しい。その大豆を加工した豆腐を、水抜きをしてすり鉢でゆっくり擦って軽く味をつける。木綿豆腐の風味が滑らかな舌触りで、贅沢な大豆の二重奏に満足感を感じる。
織部の沈んだ緑の釉薬が、縦に面取りされたヘラ目で濃淡が浮き出している。器の径と高さのバランスは佇まいに落ち着きを感じる。ヘラ目の幅、釉薬の緑の濃淡のコントラストも計算され尽くした印象を受けるけれど、時間をかけて捏ね回した物ではなく、直感的な素早い手の動きで作り出された物である事は判る。魯山人の作品としては大作ではないけれど、やっぱり天才的な偉人だったのだろうなと感じさせる器だ。
器 織部釉 面取り湯呑み 径8cm 高7.5cm
作 北大路 魯山人